両親に打ち明けた時のお話

そんなの無理じゃない。

お母さん、泣くだろうな。

迎えに来てもらった車の中、アイドルをしたいとお父さんに初めて打ち明けたときに言われたこと。

理解はしてもらえないだろうな、と覚悟はしていて。

普通、の定義は難しいけれど。
親が望む「普通の生き方」からは外れてしまうから、失望させることも、すごく心配させてしまうこともわかっていたから。

わたしも、親が期待してるであろう道から大きく外れることはないように心がけてきたし。

いまさらどうして、って困惑されるのは当たり前。

〇〇くん彼女と別れたらしいよ、なんてこともすーぐ広まるようなド田舎で、変な風に噂が広まったら家族が肩身狭い思いすることも想像できるし。

応援してほしい、なんて言えなくて。

ふいに、今までわたしは、多分幸せになる人が多いであろう道を選ぶように生きてきたことに気づきました。

こう動いたほうがみんなが喜びそう、そういう思考で生きてて。

それは別に善意ばかりではなくて、きっとそうするほうが悩まなくて楽だから。

自分が傷つかないための選択。
決して悪いことじゃない、でもエゴでしかないなって気づいてしまった選び方。

だけどそうやって生きてきてしまったから。

親の期待を大きく裏切るような道を自ら選ぶことは、人生で初めてかもしれなくて。

何かあった時、すぐ助けに行けないじゃない。って心配してくれた。

ごめんなさい、わたしも何かあったとき、すぐには助けに行けなくなる。本当にごめんなさい。

それに、悩んで眠れなかったとも聞きました。

でもごめん、そうなるだろうなってわかってた。
ちょっと受け継いでるとこあるもん、心配性なところとか。

わかるのに、どうしてもこの世界に飛び込んでみたくて。

両親が揃って健在なこと、それだけで当たり前じゃなく恵まれてることなのもわかってるから。
親からの突き刺さる沢山の言葉に、傷つくのは筋違い。

たぶんきっと、なりたい私を目指せば目指すほど、「親が望む私」からは離れていく。

だからせめて、親に言えないようなことはしないように。

すこしでも楽しんでくれる人を増やして、送り出したことは間違いじゃなかったと証明できるように。

申し訳なく思うばかりじゃなくて精一杯楽しんで、元気に過ごしている姿を見せられるように。

これもまた、エゴでしかないんだろうけれど。

ありがとうの気持ちで、面白おかしい人生にしていかなきゃなと、
気合いを入れて上京したうましろなのでした。